ふくやつ
おそらくどのお家にも、その家でしか通じない言葉・モノがあると思う。
友人の家では、子どものよだれかけのことを なぜか「パッチュー」と呼んでいて、何でだろうねえ、と笑っていた。使用例:「ほら、パッチューつけないとよごれちゃうよっ」
ちちが小さい頃には、ある特定のタオルが どこへ行くにも手放せなかったらしい。旅行のときにもって行くのを忘れてしまい、大変だったそうだ。汚れてぼろぼろになっても大好きだったタオル、その名前は「これ」だって。この場合、「こ」にアクセントがあるのです。
結婚して、相手方の家に行って、これをそんな風に呼ぶのか!と驚かされた経験、ありますよね。
ちちは ははの実家で、ははのはは(ややこしいな)が古い言葉を連発するので新鮮だったらしい。「えもんかけ」「こしかけ」「こうもり」とかね。「こうもり持ってったほうがいいよ」なんていわれると、瞬間的にこうもりの足をつかんでいる自分を映像化していたらしい。
そんな私が、逆にちちの実家で気になった言葉は 「ふくやつ」
わかるかな?正解は台拭きタオルです。
ちちの実家は 私から見ればとても上品なのですが、なぜかこれだけは例外。「ねえ、ふくやつ取って」というのです。ふしぎだ~
うちでも子どもがお味噌汁をこぼしたりすると、ちちは「早くふくやつ持ってきなさい!」とさけびます。
ふくやつ。私が瞬間的に想像するのは・・・
①拭く係専門の小さい人。テーブルの上を走り回って、拭いてくれる。でもあくまで「やつ」なので、ちょっと薄汚れている。
②ふくやつ、という 怪獣のようにこわいやつ。
私がそういうと、そんなこと考えたこともなかった、とちちは大笑い。
それからは、ふくやつという言葉が出ると、子どももみんなで、鼻にしわを寄せて「が~っ!」と怪獣の真似をするようになりました。
がちゃん(ジュースをこぼす音)
「早くふくやつ持ってきて!」
「が~っ!」あ~たのしい。(はは)