新春 大川方言談義
仲良しのKばあちゃんと、お茶を飲みながら話していた。
昨年末、珍しく医者にかかった私は、処方された鎮痛薬を、どこかの引出しに入れてしまい。見当たらなくなってしまった。
「薬を、どこかに、いっ、いっちれ」
「?」
「いっちれちゃったもんで」
ばあちゃんはニヤッと笑って、「いっちれたかぁー。
いっちれちまうと、わからんもんだよ」
このあたりでは、よく動詞の前に「い」「お」ひん」などをつける。調子を取っているのかなと思うが。
走る→「いっぱしる」
かぶさる→「おっかぶさる」
投げる→「ひん投げる」など。
さて「いっちれる」とは?つまりは「い」+「入れる」である。この言葉が出た分だけ、大川人に近づいているようにも思う。が、まだまだニセモノ臭い。
ちなみにばあちゃんは、「いっちれた」と ゆるやかにイントネーションを上げていき、「かあァー」と山を描いて下がる。とても自然な発音だ(当たり前だ)。
ばあちゃんは、「それじゃーノーシンを飲めや。東京産だで、よく効くぞ」とかなんとか講釈をたれながら、予備も一つくれた。
それですっかり頭痛がとれたのは、東京のノーシンがよく効いたのか、それともゲラゲラ笑って話したのがよかったもんだか。おりゃー、わからんのう。