悠々闊歩

はるかな道を悠々と、闊歩していきます

無題

大事な方を失う、ということは

残された側から見ると、実に次々と奪われていくものだと、初めて知りました。

日常があるときには、その幸せを意識しないのだけれど

一緒に楽しめていた活動の数々が、だんだんと不可能になってくる。

一緒に出掛けられなくなる。一緒に動けなくなる。話せなくなる。会えなくなる。

記憶を必死にたどり、とどめようとする。姿がなくなる。一緒に過ごした場所を失う。

せめてもとかきあつめたくなる一つ一つが、ぽろぽろと指の間からこぼれていく。

珠玉の日々でした。

「楽しかったなあ。」と口に出してやっと、『失くしてしまったのだ』とはっきり悟りました。

じゃあ残るものはないのか?

私が受け取ったものは何だったのか?

まだ整理できません。

奇しくもその同じ日に、縁濃く過ごさせていただいた方がもうお一人亡くなり

山里に来て以来の日々に、大きな区切りの時期を感じています。

娘にその偶然を話すと

「きっと大事な人が、二人生まれなくちゃいけなかったんだよ」と言いました。天国も、バランスがあるんじゃないのと。

その大事な人に、いつか出会えればいいな。