スタンドはまだか
先日遠出をしたときの話のつづき。
帰りの車中、ガソリンが残り一メモリになった。大きなサービスエリアがあったが、娘たちが調子よく歌を歌っているので(ザ・ブームの『極東サンバ』家族で楽しめる唯一のCDである)スルーすることにした。何たって先が長いのだ。
が、これが間違いだった。
行けども行けどもガソリンスタンドの表示が現れない。気づくと針はEに近づいてきた。ちちも気づいていたらしく、わざと平静を装ったような声で(と、ははには聞こえた)「なかなかないねえ。あせるねえ」とつぶやく。
坂道の具合で、ガソリンのサインがついにぼんやりと点灯した。やばい!あと40キロ以上ある。ワキアセをぐっしょりかいてきた。
「大丈夫だよ。Eのとこ振り切ってもいけるよ。こないだなんてさあ・・・」と、ちちは勇気付けてくれるが、そうなるととたんに心配性の根っこがゆさぶられる。無言でエアコンを切って、さらに汗をかく。娘たちもなんとなく無口になってきた。
おいおい、1キロ以上のトンネルなんてかんべんしてよ!と泣きたくなる。あと20キロ、あと10キロ・・・祈りながら、おそるおそるアクセルを踏んだ。
「もうそろそろ、左車線から出ないほうがいいかもよ」なんて言われて 更に胃が持ち上がる。
あと5キロ、あと3キロ、そろそろ歩いてもいけるかも・・・
なんて考えながら ようやくガソリンスタンドに滑り込んだとき、疲労困憊して脱力してしまった。ああよかった。みなさん、高速道路では早めの給油をね。
そういいつつ、しっかりと価格表示を確かめて
「3000円分お願いします」といって、ちちをどっちらけさせてしまった ははでした。(はは)